
昨年末にようやく読み終わったこの本。
ちょっと時間が経っちゃいましたが、簡単レポです。
えー、英語力のつたない私が自分で訳した内容を元にしているので、意味の取り方が違うところがあると思いますが、そこんとこはどうかどーか、十何年ぶりに辞書と格闘してがんばったってことで御勘弁いただけると幸いです。
犬が吠える目的
犬が吠えるのはコミュニケーションのため。私たちと同じように言葉の一部が「音を発している」と考えるべきで、言葉の一部である以上、それを叱りや罰などによって取り上げるべきではないと述べられています。また、猫や馬が鳴くのを止めさせようとする人はいないのになんで犬はダメなのか、とも。ホンマホンマ、確かに、よく考えてみればその通りだなぁと思いました。
吠える理由6種
本の中では、犬が吠える理由を6つのタイプに分けています。
1【興奮(excitment barking)】
来客、帰宅、車、他の犬、慢性的ストレスによる
2【警告(warning barking)】
本来の犬の仕事ともいえる
3【おびえ(fear barking)】
恐怖対象から逃れられないために起こる
4【守り(guard barking)】
何か(食事やおもちゃなど)を失う不安などが引き金
※決して支配性などではない
5【フラストレーション(frustration barking)】
長期にわたるストレスが原因
6【学習(learned barking) 】
無意識に飼い主が定着させてしまったもの
犬が吠えるとき、多くはこれら6つの中のいくつかが組み合わさっているので、その犬をよく観察して原因を見極め、その原因にあった対策を講じなければならないとしています。そして、どの吠えに対しても共通しているのが「叱らないこと・罰しないこと」。これがこの本の中で一番大事なところかなと思います。よくやりがちな、耳を掴んだりリードでショックを与えたり、怒鳴ったりスプレーの噴射される首輪(シトロネラカラー)を使ったりすることも否定しています。ビックリでしょ。理由は、こうした行為が犬をさらに怯えさせたり不安にさせたり絶望させてしまう可能性があるから。その結果、吠えが悪化したり攻撃行動につながったりすることもあるということです。
対策は…
吠えている犬に必要なのは、犬が直面している「吠えざるを得ない現状」を変えてあげること。吠えることと同時にはやり難い行動(モノをくわえる、など)を教えてあげたり、ストレスの原因と考えられるものを取り除いてあげたり、怖いものは回避したり慣れる時間を与えてあげたり、不安を感じない環境を整えてあげたりすることです。
そして出来るなら、楽しくて吠えているときは許してあげて欲しい、とも書かれていました。でもこれはいつでもどこでもOKということではないのは当然で、状況が許す場合、たとえば、海岸で遊ぶ時などは思いっきり声をあげて楽しませてあげればいいんだと思います。
避けられない要因
そしてもうひとつ。今までの繁殖の歴史も忘れてはならないとしています。犬達はその目的によっていろいろな能力を強化されるように繁殖されてきました。その能力の一つが【吠えること】です。番犬や猟犬の中には吠えて外敵や不審者の接近を知らせたり、獲物の居場所を知らせたりしてきた種類がいます(中には吠えない猟犬—おもに鳥猟犬—もいますが)。また一方では、走ることを強化されてきた犬種は走ることにエネルギーを使わなければならないのであまり吠えません。こうして何百年という長い時間をかけて作り出されてきた犬達が、愛玩犬としての地位に落ち着いたのはその歴史から見ればごく最近のことなので、吠える性質が変化するにはまだ時間が短すぎると述べています。
自分の暮らす地域や飼う目的にあった犬を選ぶことが「吠え」に悩まされないための大原則ということです。
本文の中に印象に残った次のような文章があります(お粗末な訳でゴメンナサイ…)。
犬にとって最も大切なことは、家族の一員になることです。それは、家族とともにあり、一緒に出かけることです。あなたが買い物をしている間車の中で待ってい たとしても、犬が孤独に感じるほどの長さでなければ仲間だと感じていられます。もし、犬に匂い嗅ぎや探索などによって犬の感覚を刺激させる機会 を与えてあげられれば、犬としての精神的な刺激も得ることができます。 これは誰にでもできることですし、それによって犬達はより良い「犬生」を送ることができます。もしあなたがこれらのことを十分にできないなら、あなたは犬を飼うべきではありません。犬はあなたを必要としているのです。 (本文より) |
犬が犬らしく行動できる環境を提供すること、それができなければ飼うな。かつてはそんなこと言う人はほとんどいなかっただろうと思いますが、時代は変わっていくものです。人と犬とが「共に暮らす」時代ですから、私たち人間もちょっとは努力しないとね。
あんまり上手くまとめられなかったですが、以上、本読みレポでした。
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